1.出土石器群
A地点とは、第1次・第2次発掘調査が実施された狭義の本ノ木遺跡の範囲である。その後の調査でA地点北側に侵食谷があり、その谷頭の微高地に遺跡が立地していることが判明した。
出土した多様な石器群の中には、「本ノ木型尖頭器」「神子柴型石斧」「抉入削器」などが見られる。




2.出土石器群の特徴
A地点では、芹沢長介が1957(昭和31)年に報告したとおり、石槍製作に伴う一連の石器群が出土している。石槍には「本ノ木型尖頭器」と呼ぶ両側縁が平行な形態や、木葉形や柳葉形を呈する尖頭器、断面三角を呈する神子柴型石斧、抉り込みを持つ削器(抉入削器)などが組成する。石材の大半は、近傍の清津川水系から運び入れられた在地石材である。その運び入れは、両面体に調整されたブランク(母形)として運び込まれる。明確な石核は存在しない。また、石刃剥離は認められない。抉入削器は原礫面を持ち、山形県近傍の珪質頁岩製や在地の頁岩製である。珪質頁岩製は製品で持ち込まれたと推測される。一方、木曽地方産出と推測される深緑色チャートや流紋岩で作られた尖頭器も含まれている。山形県や中部高地南西部との地域間交流が想定される。

チャート製の有舌尖頭器

流紋岩製の尖頭器
参考文献
佐藤雅一ほか 2014 『魚沼地方の先史文化』 津南町教育委員会
佐藤雅一ほか 2017 『本ノ木-調査・研究の歩みと60年目の視点-』 津南町教育委員会

