沖ノ原遺跡は、慶応大学の江坂輝弥によって昭和47・48年に調査され、竪穴住居跡が多く確認されたことで、環状集落であるとされた。この調査では、住居跡や「大型長方形建物跡」、「敷石遺構」は確認されたが、墓坑や貯蔵穴などは確認されなかった。
その後、平成29年から津南町教育委員会による範囲確認調査が実施された。その結果、湯治調査され、保存された住居跡を確認すると共に、未調査部分も遺跡の性格を把握するために実施された。その結果、環状集落の中央の広場からは、玉類が出土し墓坑と考えられる土坑が確認された。
そして、環状に立ち並ぶ住居跡の外側に、フラスコ状土坑が確認された。フラスコ状土坑とは、理科実験器具のフラスコの形に類似しているために呼ばれ、木の実などの貯蔵穴であると考えられている。この調査の結果、環状集落の集落構造として、広場-墓域-居住域-貯蔵域という配置が考えられる。
沖ノ原遺跡のフラスコ状土坑の数は、墓に転用した事例も確認されていますが、まだ明らかになっていません。ただ、雪に閉ざされる当地域において、食料の貯蔵は重要な要素であり、多く作られた可能性がある。
クルミ、クリなどの木の実を貯蔵していたと考えられているが、残念ながらフラスコ状土坑から植物依存体の出土はなく、土の中に入れる(保管・保存)天然の自然薯は夏までも保つ古芋もあるとの民俗事例から、近年ヤマイモなどの地下根茎類を貯蔵に利用され可能性も指摘されている。


