中期後葉土器群

ここで中期後葉と呼ぶ時間幅は、関東地方とは異なる規準で時間幅をくくる。その背景には、時間以外に文化変化を想定した時間幅があり、古くから新潟県で使用されてきた時間幅である。
東北地方の大木式土器に対比するならば大木9式の時間幅を指す。土器の様相は、大きくモデルチェンジする。太い沈線と同じ幅の隆起線で胴部上位に文様を描き、その一部に縄文を転がす。口縁部は無文横帯を持ち、胴部との境界には太くて低い隆帯を貼付して、上下を分離する。この隆帯には刻みや押圧などの手法で加飾が施されることから「加飾隆帯文土器群」とも呼ばれる。地方型式名は「沖ノ原Ⅰ式土器」であり、その分布域は、馬高式土器に比べると極めて狭く、おおよそ魚沼地方に限定される。
沖ノ原式土器主要遺跡の分布
沖ノ原Ⅰ式土器


参考文献

佐藤雅一ほか 2014 『魚沼地方の先史文化』 津南町教育委員会