卯ノ木南遺跡の押圧縄文土器群

 本ノ木遺跡の段丘面より2面下位にある段丘面に卯ノ木南遺跡は立地する。その比高は約5mを計測する。卯ノ木南遺跡は、原則回転手法の草創期土器は認められず、縄原体を縦位や羽状に押し付ける特徴がある。その原体には「太く短い原体」と「細く長い原体」がある。文様は横帯構成が意識され、横帯変換部にハの字爪形文が施文される特徴がある。
 土器相は、押圧縄文土器に押し引き文、無文土器であり、そこに稀薄ながら半置半転手法の土器が混在する。
ハの字爪形文を施す押圧縄文土器

参考文献

佐藤雅一ほか 2017 『本ノ木-調査・研究の歩みと60年目の視点-』 津南町教育委員会
佐藤雅一ほか 2018 『本ノ木遺跡 卯ノ木南遺跡 家の上遺跡―信濃川上流域草創期遺跡群遺跡範囲確認調査報告書―』 津南町教育委員会