尖頭器石器群の主要な石材は頁岩である。わずかに無斑晶ガラス質安山岩とチャート、黒曜石が含まれる。無斑晶ガラス質安山岩は、志久見川を起源とし、千曲・信濃川で採取されたものと考えられる。深緑色のチャートは、信濃川川原で見られる青灰色のチャートとは異なる。また、本ノ木遺跡周辺では、尖頭器の素材となる大きさのチャートの採取は困難である。尖頭器のチャートは犀川上流域に分布するチャートに類似する。このことから、産地周辺で製作されて尖頭器が遺跡に持ち込まれた可能性が考えられる。
また、黒曜石製尖頭器も蛍光X線原産地分析(XRF)により星ヶ塔産との結果から、その周辺で製作されたものが、遺跡に持ち込まれたと考えられる。
原産地分析の表
尖頭器製作に伴う原礫面をもつ大形の剥片や石核などはほとんど出土せず、尖頭器の最終加工による細かい調整剥片が出土することから、頁岩石材周辺で石の荒割をおこない、尖頭器を製作されたものが、遺跡に持ち込まれ、最終的な仕上げの加工が行われたと考えられる。
また、抉入石器は珪質頁岩や頁岩を素材にしているものの、珪質分の高い石材が選択され製作されている。一部には、原礫面を持つ石器もある。これは、珪質分の高い原礫面付近の石材特性を踏まえて選択され利用されていると考えられる。
原礫面をもつ剥片
参考文献
建石徹ほか 2008 「縄文時代草創期遺跡出土黒曜石の産地分析―新潟県内出土資料を中心として―」
『縄文文化の胎動―予稿集―』 津南町教育委員会
佐藤雅一ほか 2014 「石器石材環境とその利用」『魚沼地方の先史文化』 津南町教育委員会